性格を形成する3つの大きな要素と時代背景
人は産まれた時は何の知識もない、まっさらな状態です。
子どもから大人へ成長していく長い時間の中で、見て聞いて教わって学んだ行動、態度、思考、感情、人間関係のつくり方が自分の性格の一部となり、無意識のうちに日常の行動となって出てきます。
では性格はどのようにして形成されるのでしょうか。
形成するのは主に3つと言われています。
自分を形成する3つの要素
素質と気質(遺伝を含む)
子どもによって生まれもった気質や素質が違います。
生まれた途端に、おとなしい子、やんちゃな子など些細なことで不安になる子など様々です。
発達心理学では遺伝的要素と言われ、生まれる前から備わっている先天的なものとされています。
同じ環境と人間関係で育っても、違った考え方や行動をするのは、この先天的要素が関係していると考えられています。
育った環境と人間関係
アダルト・チルドレンは、まさにこの育った環境と人間関係の影響を受けていると考えられています。
育ってきた環境は、後天的な要素とされ環境が人に及ぼす影響は大きいと心理学でも数々の研究がされています。
自分の意志や選択
意志や選択については、元々備わっている気質や素質と育ってきた環境で培った価値観の両方が現在の意志や選択を決めています。
環境から培った意志として、例えば親の意志や選択がいつの間にか自分の意志や選択だと思いこんで苦しんでいるパターンもあります。
育ってきた環境と意思と時代の関係性
ここでは後天的要素、つまり育った環境や人間関係がどのように自分の意志と選択に影響を及ぼしていくのか、代表的な例をあげてみましょう。
環境①養育者が過干渉・統制型
これが現代の悩みで一番多いパターン。見えない機能不全家族と言われていて、
外部からみると、誰からみても「良い家族」であることが多い。養育者が先回りして何でもやってしまい、いつの間にか養育者が子どものためにと思っていたことの期待が重荷となっているパターン。
①の環境が及ぼす意志と選択と行動
親の期待が欲しくて行動してしまう。その結果、親の期待=自分の意志と認識してしまい、自分が何を望んで何をしたいのかわからなくなる。
養育者が原因と分かると、激しい怒りから養育者への暴力やひきこもりになるなどする。
①を引き起こした時代背景と社会の影響
少子化や女が家庭を守るというスタイルが出来上がったことなど
環境②養育者の無視や放置
親がするべき身辺の世話を放棄し、全く目を向けないタイプ。親自身が病気がちであったり、兄弟姉妹が病気だった場合、自分に目を向けてもらえない寂しさを抱える。また、田舎の風習が根強くあり、長男だけがあからさまに大事にされているパターンなども同様。
②の環境が及ぼす意志と選択と行動
人と一緒にいても孤独感がつきまとい、見捨てられるのではないかという不安を無意識に抱く。その結果、身を削ってまで相手につくそうとしてしまう。DVやモラハラを受けてもずっと一緒にいようとしてしまう。ひどくなると不安症になり、日常生活に影響がでる場合も。
②を引き起こした時代や社会の影響
家長制度など
環境③養育者からの虐待
身体的虐待、性的虐待、精神的虐待などが大きな分類になりますが、細かく分けるともっと多岐に渡る虐待があります。
③の環境が及ぼす意志と選択と行動
虐待が及ぼす心の傷は深く様々な生きづらさを抱えます。人が信じられないので、自ら孤独を選びます。特に性的虐待は隠していることが多い。そのため、さまざまな精神疾患や心の傷を癒すことができないままになっていることが多い。心の傷が深く複雑な状態で誰のサポートを受けないでいると最悪の場合自殺や自傷行為、他人への暴力などに発展することもある。
③を引き起こした時代や社会の影響
不況、SNSの普及など
「環境と人間関係」と「意志と選択」は変えられる
先ほど述べた現在の自分を形成する「気質・素質・遺伝」と「育ってきた環境と人間関係」と「意志と選択」のうち、後天的要因である「環境と人間関係」は変えられます。
過去の環境と人間関係は残念ながら変えられません。
でも、「今からの環境と人間関係」は変えられるのです。
そして「自分の意志と選択」は「環境と人間関係」とお互い影響しあっています。
「環境と人間関係」が変われば、「自分の意志と選択」が変わります。
もともとの気質や素質は、あなたの才能であり宝です。
変える必要はありません。
その才能をどうか大切に。そして大事にしてください。
もし、現在うまくいかずに悩むことがあるのであれば、変える必要がある要素は、
「環境と人間関係」 「自分の意志と選択」の2点です。
あなたが、過去の環境と人間関係から学んだことは、いつからでも学び直せます。
ワークを通して、新しい価値観に是非出逢ってみて下さいね。
時代背景の影響は大きい
時代背景や社会の影響についても少しこの記事内で書きましたが、時代と社会の影響はかなり大きいと個人的には思っています。
特に近年はめまぐるしく状況が変わり、良いとされる価値観がどんどん変わっていきます。そして、多くの人が予測不能であった出来事が世界中で次々と起こる時代に私達は生きています。
現代を生きる全員が混乱の中にいる状態です。
当然、親のときに当たり前だった価値観は、あっという間に変わりました。親は親で新しい価値観にどう順応していけばよいのか混乱しているのです。
そのような状態での育児や子育てはあまりにも酷であると、私は思っています。
時代のスピードに順応しきれないまま、全員が全員必死に生きているのです。
まとめ
混沌とする時代を生きる私たちが出来ることは
②時代の背景に翻弄されて受けてしまった影響をリカバリーしていく方法を身につけること
③次の世代に翻弄され受けた影響を引き継がせないようにできるだけ意識すること
私が考える現代の家庭環境は、時代の縮図だと思っています。
アダルト・チルドレンというテーマを用いて、
混沌とした時代を生き抜くお手伝いをしていきたいと思います。